ワスレナグサ
by
吟兎
−この想い、貴方には届かない……? Ω1 ドドカナイキモチ |
いつも貴方を見ていた。 そして、一喜一憂。 好きだった。 それでも、見てしまったから。 貴方が他のヒトといるのを見てしまったから…… 勘違いじゃなければ、 あれが、勘違いじゃなければ。 勘違いであればいいのに…… それでも直接訊くなんて、できない。 答えが恐いから。 頷かれるのが怖いから。 肯定されるのがコワイから。 もしかしたら、違うかもしれない。 首を横に振るかもしれない。 否定してくれるかもしれない。 この想い、貴方には届かないのですか……? |
<作者より> 旅路のネタ考え中なので、こっちを進めます〜!! |
こんなにも貴方が気になるのは何故でしょうか? Ω2 スキダトイウキモチ |
「おっ……お早う!!!早いんだね。」 朝、彼を見つけて挨拶をする。 あたし、鈴村果林は、彼、松村俊一くんが好きです。 「おう鈴村。俺は部活の朝練。鈴村こそ、早いな?」 「う…うん。早く目が覚めちゃって……」 嘘。貴方に会いたくて、わざわざ目覚ましを早くセットした。 一秒でも、一瞬でも、貴方の側に居たかったから。 「へぇ、鈴村って早起きなんだな。」 「そんなことないよ。ただ、昨日早く寝たんだ。それより、」 「?どうした?」 「松村くん、昨日、駅前の書店に居たでしょ?知らない女のヒトと。」 やった。ストレートに言えた。 「ん?鈴村もその日そこに居たのか?」 「うん。ちょっと用事があって。」 「そっか〜。声掛けてくれれば良かったのに。あ、あれは従姉。」 「そうなんだぁ……。」 「じゃ、俺朝練。じゃな。」 そう言って松村くんは歩いていく。 ふと、昨日の光景を思い出す。 その従姉さんは確か、松村くんと腕を組んでいた気がする。 従姉さんも松村くんも、楽しそうだったな…。 従姉と言ってももしかしたら付き合っているかもしれない……? ふと、そんな考えが出てきた。 また、不安になる。 不安は消えなかった。 確かめたいと思った。 でも、松村くんに、あたしのキモチがバレてしまうかも…? ◇ 「ま、松村…くん?」 恐る恐る、松村くんを呼んでみる。 「松村くん、好きなヒト、いるの……?」 訊いてしまった。 あたしのキモチ、判ってしまったに違いない。 「何いってんの!いないよ。 いきなりそんなこと訊くなんて変だな鈴村?」 「う…ううん!何でもないの!友達に訊かれてっ///」 「そ、じゃな。後で。」 良かった。気づかれていないみたい。 ちょっぴり安心した。 けれど、同時に残念なキモチもあった。 「じゃ、教室いくかっ。」 ◇ 鈴村が見えなくなったところで、俺は立ち止まった。 「っ……びっくりした…。」 鈴村に告られるのかと思った。 でも、友達に訊かれたからといわれて、 安心したような、残念なようなキモチになった… 俺は嘘を吐いた。 好きな奴がいないなんて嘘だ。 本当は…… 好きな奴がいる。 なのに…俺は 嘘を吐いた。 好きな子に、嘘を吐いた。 気づかれたくない、この気持ち。 ◇ 好き合っているのにすれ違ってしまうのは、 神の悪戯でしょうか………? To be Continued... |
Ω3 スレチガウキモチ |
あたしは、大きなため息を吐いた。 なんだか全ての歯車が上手く回っていないような、 そんな気分。 「果林おはよっ!どうしたの?ため息なんか吐いちゃって。」 親友の木下綾香が声を掛けてきた。 「あ、綾香…いや…ちょっとね……。」 「わかった。また松村くんがらみでしょ?」 「う…」 図星だ。鋭い綾香には隠し事はできない。 というより、あたしが単に顔に出やすいからかもしれない。 「で?どうしたの?昨日見たって話、聞いたの?」 「うん…従姉さんだって。」 「じゃあよかったじゃんかぁ。なんでそんなに暗いのさ?」 「だって…従姉だから好きじゃないとは限らないじゃん…」 あたしがまた落ち込みはじめると、 綾香が言った。 「なんで果林はそうマイナスに考えちゃうの?もっと前向きにいこうよ。」 「うぅ…でも……」 「でもじゃない!好きなんでしょ?」 「そうだけど…」 すると背後から声が掛かった。 「おはよ、鈴村。っつっても二度目か。」 松村くんだった。 「ひゃわっ!」 「あ?驚かした?悪い。」 「う、ううん…。」 ヤバい。心臓がドキドキいってる。 これは、驚いたから? いや、それとも、松村くんが側にいるから? 「あ、それよりさ、松村くん!果林に英語教えてあげてくれない? 果林、今日当たるんだけど、あたし、苦手なんだよね…。」 綾香が話題をすり替えた。 ってえぇっ!? ま、松村くんに勉強教えてもらうの…? 「ん?あぁ、別に良いけど?」 って松村くんOKしちゃったしぃ… ヤバい、心臓が…ドキドキが止まらないよぅ…!! ◇ な…何をいうんだ木下はッッ! いや、別に嬉しくないわけじゃないけど…。 もしかしたら、俺の気持ちに気がついて…? そしたら、木下エスパーだよな… いや、そうじゃなくて! ついOKしちゃったけど… 俺、英語得意じゃねぇっ! ◇ 「うふふっ… あたくしの松村さま…w邪魔者は…即排除。」 ◇ 恋に邪魔者は付きモノなのでしょうか…? To be Continued... 《次回予告》 次回、果林に恋のライバル現るっっ!?!?(笑 |