Memory +記憶+



by
咲玖


第一話 - - 血
ロウは血のついた手を、私の頬に当てて、言った

「クレラ。

ごめん、ごめん・・。でも。僕は───。」


ロウは とても悲しい顔をしていた。


「いいの。ロウは・・私を・・助けて・・・くれた・・。」

私は、そんなことをロウに言ったけれども、心の底では

母さん・・父さん・・・・・


こう思っていた。





<作者より>

こんにちわm(_ _)m
小説を書くのは初めてだ〜w
ちゃんと終わるかな・・・・ え
ちょっとグロイけど、それでもいいならつづきを投稿するね。
それでわ(^u^)/~~~
第二話 - - 刃物
──母さんと父さんに刃物を突きつけられたとき

ロウがきた

メリッという音とともに 腕の皮がはげ 銃のような兵器がむき出しになった

ロウの目は赤く血走り あの優しいロウの面影は

どこかに行ってしまったようだった


そして




私の母さんと父さんに銃を向け


放った


部屋は血の海のようになった

私もロウも その血をあびた


私は何も考えられなくて 頭が真っ白だった

そのとき

「クレラ。」

ロウが私の名前を呼んだ
第三話 - - 如何して?
如何して? 如何して母さんと父さんは 私に刃物を突きつけたの?

私は混乱していた

昨日まで どこにでもあるごく普通の家庭だったのに

母さんと父さんは──

「クレラを殺そうとしてたんだね。」

ロウが口を開いた

「───え?」

そんなこと 知りたくなかった 聞きたくなかった

自分の親が自分を───・・

「きっと。・・」

それからロウは喋らない

ロウは こっちの世界の子ではないから きっと何か知っているんだ・・

「教えて。」

「でも・・。」

「大丈夫。・・だから・・・・お願い。」

「僕の・・予想だよ?予想。」

私は黙って聞いた
第四話 - - 予想
「クレラが生まれたその日から、クレラのお母さん達は・・クレラを・・」





──何?





「殺そうと決めていたのかもしれない。」

「───っ!?」

「如何して?!」

「・・だから言ったのに・・。」

「─じゃあ、如何して私が生まれたときに殺さなかったの?如何して・・如何して今なの?」

「そんなこと分からないよ・・。きっと理由があるんだろう?」



──信じられない・・・
第五話 - - 忘れる
『ごめんね・・クレラちゃん・・っ』

──?

『ごめんな・・・許してくれ・・・・・』

誰・・?


『・・レ・・・ち・・・・ゃ・・・・』

『クれら・・・・・ユるシ・・・・』




「────っ!!!」

「・・っはぁ・・ゆ・・夢かぁ・・。」

ふと、昨日のことを思い出した

頭が痛い  自然に涙が出てしまう


「おはよークレラ。」

・・ロウ・・・

「お早う。」

「何?昨日のこと思い出したの?」

「──うん・・。」

ロウには何でも分かってしまうんだな・・


「そんなに辛いなら



僕が忘れさせてあげるよ?・・」
第六話 - - 本当?
「─え?」

私の今の顔は すごい驚いた顔だと思う

「え゛?だから・・僕が・・。」

「ぷっ・・」

「!!!!?」

「あははっ・・ロウって以外と可笑しいのね」

思わす笑ってしまった

悲しいはずなのに

「な?!・・わ・・・わわわ笑うことかよ!ソレ・・」

本当なのかしらね

「・・本当?本当に忘れさせてくれるの?」

でも・・少し忘れたくない・・

最後の・・母さん達の記憶だから

でも・・このまま覚えているのは怖い もどかしい すごく苦しい・・

「僕にできないことはないさ。たぶん・・」

本当に忘れていいのか・・  でも・・







「お願いできるかな・・・・・」

-----------------------------------
<作者より>
全部で十六話あります。
長いかも・・。
第七話 - - 記憶を
──怖くなんてない・・

こんなの 覚えてるほうが怖い・・

「少し痛いよ。」

ロウが何か準備をしながら言う

「うん・・」

やっぱり ちょっと怖い

「いくよ」

私は歯をギュっと食いしばり 目を閉じる




バチッ

「!!!」

激しい痛みと痺れがクレラを襲う

「っ・・・・・・・いった・・・・・・ぃ゛・・・っ」

涙がでる


頭がほわほわしてきた・・・


───・・・・・



──母サん・・父さン・・・・・・・わ・・タ・・シ・・ゎ・・





第八話--覚えていない

「ん・・・・・」

目をあけると ロウが居た

何かを片付けている

「ココは何処?」

私が聞くと

「え?家だけど?

あ、さっぱりとあのことだけ忘れたみたいだね。」

笑ってロウが言う。

「・・・・・・。」

あのことって?

何かさっぱりしない

何か とても大切なことを忘れてしまった気がする

何を忘れてしまったのだろうか


それは 絶対に記憶から消してはいけないはずだったのに











──わからない
第八話 - - 覚えていない
「ん・・・・・」

目をあけると ロウが居た

何かを片付けている

「ココは何処?」

私が聞くと

「え?家だけど?

あ、さっぱりとあのことだけ忘れたみたいだね。」

笑ってロウが言う。

「・・・・・・。」

あのことって?

何かさっぱりしない

何か とても大切なことを忘れてしまった気がする

何を忘れてしまったのだろうか


それは 絶対に記憶から消してはいけないはずだったのに











──わからない
第九話 - - 頼み
「え?

何言ってるんだよ・・。」

ロウが困ったように言った

「っ・・だから

忘れる前の記憶を元に戻してって言ってるんじゃないっ!!!」

私はロウを困らせながらも 強く言う

「・・無理だよ・・・・

そんなことしたら、クレラの体がもたない」

「・・・如何してっ如何してそのとき止めなかったの?!」


「それは・・君も忘れたがっていたし、忘れたほうがいいと思ったから。僕も。

何故、前みたいに苦しもうとするんだ?」

ロウが真剣に言ってくる

「何故って・・・」

今 頭の中でグルグル回ってるんだ そのことを忘れてはいけなかった って

「苦しくても、将来、絶対に覚えておかなければいけないことだったの。

いずれすべてがわかるはずだから・・」

「そうか・・

でも、記憶を戻すのわ無理だ・・  ぶっ?!」


バチンッッ


言葉を言い終わる前に クレラがロウの頬をビンタした

「じゃあ!記憶を戻さなくてもいいから、そのことを教えなさい!!ねぇ!お願いよ!!!」

・・命令口調  困ったな

ロウが思う

「でも、そんなことをしたら、君は混乱するだろう・・。」

「いいわよ!そんなことぐらいっっっ!!!」

「ちょっとわがまますぎないかな?

もう少し考えてみてよ。」

ロウは機嫌を悪くしたらしい


バタン


ロウは行ってしまった・・


「・・・・・・・っひっく・・・・・・・・・・・」

また涙が出る 次々と

何を忘れたの?

何故忘れてしまったの?


忘れてしまったほうが 何倍も苦しいじゃない・・
第十話 - - 男
昨日 記憶のことで ロウと喧嘩してしまった・・・

「はぁ・・」

どうしたらいいだろうか

いずれ思い出せるのだろうか

──忘れなければこんなことにはならなかったのに・・!

悔しい もどかしい ・・

───そのとき

ガチャっ

「──?!」

─男が立っている 知らない男だ・・

「・・だ・・誰?」

「キミが、クレラだね?」

男が言う

─どうして私の名前を?

「そうだけど・・・?」

「一緒に来てもらおうか。」



何が起きているのだろうか


そのとき ドアの近くに誰かが倒れこんでいるのに気づいた



「──!ロウ───?!」

血だらけだった

「・・い・・いっちゃ・・だ・・メだ・・」

いまにも死んでしまいそうな声で ロウが言った

「え?・・」


「・・キミが来なければこの少年が死ぬことになるが?」

男が無表情で言う


「・・・。」


──ロウが死ぬくらいなら


「ええ。行くわ・・」


男がニヤリと笑った



・・後ろのほうでロウが必死に叫んでいた



「行くな・・行っちゃ駄目だっ!クレラっ・・・───!!!」
第十一話 - - 行った先では
「・・・・・・・・・

何よ、これ。」

私の目の前には 牢の中に入れられた人々が居た

「ん・・・・、こちらにこう言う情報が入ったので聞くのだが、

お前は人間を兵器にする技術をもっているそうだな?」

「・・・だったら何。」

「ここまで来たなら、言わなくても済むだろう。」

・・・・・・・・私にこの人々を兵器にしろと言うの?・・

「・・できないなら君もあの少年も死ぬことになる。」

「!」

私はともかく ロウまで巻き込みたくない・・

でも───

「私はこの人達を殺せない・・

もう、これ以上人を殺したくない──」

男はまた 無表情で言う

「でわ──」

男が持つ鏡にロウが映った そして その後ろには刃物を持つ数人の男達

男はニヤリと笑い こう言う

「いいのかな・・・・?」


私は何も言えなくて 背筋が凍りついた


───やるしかない どうしても


私は 俯いていた顔を上げ 言った



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぃぃゎ・・・・・・・・・・・・・・・。」
第十二話 - - 兵器
私は 牢の中に入っている一人の少女を出した

「助けてくれるのか?」

「うん・・・・こっちへ来て・・」

少し歩くと 小さな部屋がある そこでこの子を・・・


胸が痛む



「付いたよ。」

私は笑顔で言ってるつもりだけれどうまく笑えていない そう思う 自分でも

「君、クレラって言うんだよね、

私を如何するつもりなの?」

私は驚いた なんと言ったらいいのだろうか

私は 無理やり笑って言う

「何言ってるの?・・助けるのよ、私はあなたを──・・」


少女は私の口に手を当て 言った



「 嘘 は駄目。分かるわ。あなたの笑顔はそんなものじゃない。

もっともっと素敵で・・。



──貴方はこんなことをする人じゃないでしょう。」



自然に涙が出た どうして この少女にはこんなことが分かってしまうのだろうか


私は この少女を兵器にしてはいけない・・・いけないんだ・・・・・・・・・・
第十三話 - - 少女
「私は、ギルシャ。



涙が枯れた少女─────。

そう呼ばれるわ。

・・感情もなにもないのよ。

私はすでに一回、兵器にされた。

そして、感情もなにもかも奪われた。


ほら。」


ベリッ

そう 奇妙な音とともに、手が刃物に変わった

「あなたは・・もう兵器なの・・。」

「ええ。」

ギルシャは笑っているけれど この笑顔はなんの感情もはいっていないのだ

「・・・・・・・・・・・悲しいわよね。この世界。

私は、あの牢で死んでもいいと思ってた。

でも、あなたは絶対に死んでもいいなんて思ってはいけないわよ。

あなたはあんなに素敵な笑顔をもっている。


あなたは逃げて・・・・・。」


ガタッ


後ろを振り向くと さっきの男が居た

「どうして約束が守れないんだ」

そして 男は手を兵器──刃物に変え ギルシャの腹を貫いた

そのとき 私は始めてこんな感情になったかもしれない



『・・・・・殺シテヤル』
第十四話 - - 怒り
「お前だけは許さない・・・・・・・!」

「ほう?可笑しいことを言うな。

お前ごときの分際で俺に逆らうとは。」


「・・・・・・・・うるさいわよ・・・・・・・・・・・・・・」

私は怒りで荒れ狂った

この場から飛び上がり 男と 戦う

ザクッ

醜い音が小さな部屋に響く

私の頬からは血が溢れる

「やるな」

男が嬉しそうに言う

「このごろ腕がなまってきたんでな・・お前でまたこのなまりを直すかな」

ふざけるな この男

「お前は私がこの手で、今、殺す。」

すると 男は突然攻撃してきた

「痛っ!」

私は男の攻撃を腹に受けた

「こんな力で俺を殺すなんて馬鹿か?」

「・・・・・何言ってるの・・あなただって傷がついてるわ」

私は笑う



「本気で来い」



「そのつもりよ。」




一斉にその場から飛びあがった


絶対に 決着をつけてやる
第十五話 - - あのときの記憶
「あ・・・・・・・・」

気づいたらそこは もう 何もない世界

目の前のあの男ではなく ロウが居た・・・

「大丈夫・・?」

「ロ・・ロウ・・なにも・・なくなってる・・っ

わ・・私が・・

私が・・みん・・な・・壊したの・・・?」

コクリ と 悲しげに ロウが頷く

「・・・・・・・・・・何か・・思い出した・・

何だろう・・母さんと、父さん・・」

「!

思い出したんだ・・・?

よかった・・・」

「それより、あの男と、牢の中に居た・・人たちは・・?」

「男は死んだ。人達は、君が無意識に作った盾で守られたよ。

だから、みんな自由にした。」

「・・・じゃあ、ロウは如何して此処に?」

「あの後、一命を取りとめたよ・・。

そして、此処にきた、微かにクレラの匂い・・花の匂いがしたんだ。

だから、それを辿ってきた。」

「・・・・そうなんだ・・よかった・・・。」

私は笑いながら言った 少し 震えたけれど

ロウも笑っていた 少し 悲しそうに
最終話 - - 真実
「あの後、調べてみたんだ───

真実を・・。」

「本当?・・・聞かせて」


いままで 誰も知らなかった真実を──


「クレラが生まれたとき、殺そう。と、クレラの両親が決めていたのは本当だった。

生まれたとき、予知されたんだ。

『この子は、未来で多くの人々を殺すだろう』 と。

だからクレラの両親は殺そうとしたんだ。

でも、すぐには殺さなかった、少しの間でも、自分の子供と居たかったんだろう。

そしてこの前、殺そうとしたのは、何かが起きそうだったからだろう。

・・たぶん、この男との出会いだろね。

だから、決してクレラが邪魔だとか、嫌いとか、そう言う理由じゃなかったと思うんだ。



・・クレラ



母さん、父さんのためにも生きよう。

僕もクレラこの兵器を一生背負うけど、もう僕は絶対これを使わない。

クレラもだよ。

皆のために生きるんだ。


もう一度希望を持って


新しい世界へ行こう・・」


「ええ・・・・・・・。

父さんと母さんのためにも、ギルシャのためにも・・


皆の死は無駄にしないわ。」






「「行こうか。」」








END.....