悲しみの足跡



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西暦1993年、親に捨てられた子供がいた・・・

あたしの名前・・・『優歌』

もうすぐ中学生。1人暮らしだ。

『あーあ、明日卒業式・・・か。』

あたしの将来の夢は「漫画家」になる事だ。

学校から帰っても暇だから、漫画を書いている。

卒業式当日。

『阿達 優歌さん』『はい』

卒業賞を受け取った。

帰ってから・・・

『あー今書いてる漫画ももうすぐ書き終わるしな・・・』

中学初日。

『ねーアナタ何処の小学校から来たの〜?

名前はなんて言うの〜?』

知らない子に突然聞かれた。

『あたしは・・・森林小学校から来た阿達優歌だけど』

『優歌ちゃん?ヨロシク!!

あたしは鳥山小学校から来た、鈴木感那でぇすw』

何かハイテンションがドアップな子だ。

また感那ちゃんが話かけてきた。

『優歌ちゃんって可愛いね。将来の夢なに??』

『なれるか分かんないけど・・・一応漫画家なんだよね・・・』

あたしはちょっと明るめに話した。

『実は私も漫画家目指してるの!

一緒にイラスト部入らない?ねぇ、優歌ちゃぁん!』

『うん!入る!』

そして、イラスト部の場所に行くと・・・

―――――★つ★づ★く★―――――
A〜漫画家デビュー〜
優歌はイラスト部の場所に行った。

すると、結婚式場みたいな超ゴーカな部室だった。

『わぁ、凄いね、感那。

あたしたちここで漫画を描くんだね・・・』

『ほ、本当にこれが部室!?馬路ありえない!

まさか・・・ここ部室じゃないんじゃない??』

あたしと感那は不安になった。

その時、1人の女性が入ってきた。

『貴方達・・・感那さんと優歌さんよね?

私・・・イラスト部の部長《酒井 夏海》よ。』

その後、酒井先輩は去っていった。

『今の人・・・あたしと感那は後輩なのに

敬語使ってたよ・・・まさかココ本当に部室なんだ!』

『ウッソ〜!?つーか今の人チョー綺麗!

あたし見とれちゃったかもぉぉ(⌒∀⌒)』

そして家に帰った。

『あーあ、漫画家デビューして早くお金が欲しいよ〜!』

私は何分か立って決心した。

『よぉし、雑誌の新人コミック大会に応募するぞ!』

そしてあたしは漫画をひたすら描き始めた。

そして、『キャンディーミックス』という

漫画が出来上がった。

そして、応募した次の月・・・

[特大賞は・・・青森県の『福田こと』さんに決定!]

『福田こと』とは、優歌のペンネームなのだ。

優歌は喜びを隠せなくて、思わず跳ね上がった。

――――つづく―――― 
B〜イジメ〜
それからと言うもの、優歌は漫画家として有名になった。

バラエティなどにもでるようになって

お金持ち気分を味わっていた。

――――夏休み後の学校――――

感那がこちらへ走ってきた。

『ねぇ優歌・・・??ちょっとこっちに来てくれない?』

感那に誘われて行った所は、ちょっと怖い部屋だった。

『ねぇ、感那何すんの?』

あたしは漫画の事に関係があるかもしれなくて

今すぐ漫画を辞めたくなった。

『優歌・・・あたしだって漫画家になりたいんだよ?

優歌はあたしの心を壊してるとしか思えないだよね・・・

あんただけ漫画家になっていい気になるなよ!?

分かってんのか!?

お前みたいな奴が漫画家になったって

別に売れるわけがないよな??

ま、あたしがアンタの芸能を壊してやる。

それでもいいな?覚えてろよ!?』

あたしはもう耐え切れなくなってこんな事をいった。

『あたしが漫画家になって感那が

ゴチャゴチャ言うんじゃね〜ぞ??』

アタシはその場から逃げるように去っていった。

休み時間。

遊ぶ人がいなかった。

アタシはちょっと悲しかった。

――――つづく――――
C〜登校拒否〜
その時、優歌はこんな事を思っていた。

【どうしてあたしが漫画家になった事を否定するんだろう?】

優歌がため息を吐いた時、突然感那がやってきた。

『あたしがアンタの芸能ぶっ壊してやるよ?

それが嫌なら今すぐ漫画家やめな?

ぶっ壊す日・・・この紙に書いてあるから。ハイ。』

その紙を優歌が見ると・・・それは今日の放課後だった。

優歌は、休み時間の間に教室から逃げ出した。

そして、中学は違うけど幼なじみの『玲奈』に事情を話した。

『その感那って言う子、漫画家になりたいの?』

『うん。さっきの紙に感那の絵が描いてあるけど・・・』

優歌と玲奈は、その紙を見てビックリした。

『何これ・・・感那って言う人の絵小Aレベルじゃない?』

『まさか感那・・・あたしをダマしてたの!?』

優歌は玲奈の手をつかんで決心した。

『あ、あたし・・・登校拒否する!!』

『ちょっ、ちょっとそれ・・・どういう事!?ねぇ、優歌!!』

優歌の目からは、大粒の涙がこぼれ落ちた。

『玲奈・・・これからも一緒にいようね・・・』

『うん・・・!!』

――――つづく――――
D〜大切な言葉〜
それから、登校拒否をして5日。

感那の【芸能をぶっ壊す】は、何とか逃れられた。

優歌は、毎日玲奈の所に行き、漫画の採点をしてもらっていた。

そう、玲奈のお母さんは超有名漫画家なのだ。

優歌は、いつも考えていた事があった。

【早くお金が欲しいなぁ・・・】

そして、感那が学校を休むと聞いたので

久しぶりに優歌は学校へ行った。

すると・・・休んでるはずの感那がいる。

『やっと弱音はかずに学校に来たか。

もうアンタの芸能ぶっ壊れてるはずだ。

まぁ、昨日の夜実行したから家に帰ってみろ。』

優歌はもう耐えきれなくなり、道具箱からカッターを取り出した。

『お前はもうこの世にいなくていい・・・

この世にいても意味が無いんだ!』

その後優歌はカッターを振り上げた。

感那とその友達は逃げ回った。

『お前ら・・・思い知れ!』

『優歌!!もうイジメないから振り回すのやめて!

ねぇ、優歌!!』

すると、優歌の手は、止まった。

『感那・・・感那嘘付いてたんでしょ?

漫画家になりたいとか言って・・・あたしを騙してたんでしょ?

それって・・・友達?仲間?親友?

どれにも当てはまらないでしょう・・・?

そしたらあたし達は他人だよ・・・』

すると、感那が言った。

『あたし・・・嬉しかったの。優歌の大切な言葉が。

〈一緒に漫画家目指そうね〉って言ってくれた

優歌が凄く嬉しかった。

けど、優歌がどんどん先に進むのが悔しくて・・・

本当にゴメンね・・・優歌は1番の大切な友達だから・・・』

『感那・・・』

――――つづく――――
E〜仲直り〜
『感那・・・あたしは感那を置いて先に進んだんじゃない。

感那の事を思いながら先に進んでたんだよ・・・?

誰だって人間には、悪いところがある。

でも、必ず良いところだってあるんだから・・・。』

『え・・・?』

感那は何も知らなかったらしく、首をかしげていた。

『もういっか〜。この話はおしまい。

早くしないと休み時間終わっちゃうよ〜』

皆は笑顔を取り戻し、外へ遊びに行った。

でも、優歌はもう1つだけ気になってた事があった。

それは、もう芸能が壊れてるかもしれない・・・って事。

優歌は不安になっていた。

――――帰りの会――――

『さようなら・・・』

先生のあいさつが終わると、優歌は教室から抜け出した。

【どうか芸能が壊れてませんように・・・!!】

家へ帰ると、漫画の道具が置いてあり、そのまんまだった。

ただ、感那からの手紙が置いてあった。

内容は

〈優歌へ・・・

昨日は本当にゴメン・・・あたし、どうかしてた。

本当にゴメン・・・  感那より〉

ただ、それだけの文章だった。

優歌は喜びを隠せなかった。

――――つづく――――
F〜芸能引退〜
それから3時間後、電話がかかってきた。

『もしもし・・・阿達さんのお宅でしょうか?』

それは、優歌の芸能事務所の事務長からだった。

『あの・・・阿達さんに、5年と3ヶ月芸能を引退してもらい

漫画家として約5年間過ごしてもらうんですが・・・』

優歌は悔しさのあまり、電話を切った。

まさか、本当に感那が芸能を壊したのかもしれない。

優歌と感那があ仲直りしたのは、感那の仕掛けだったのかもしれない。

優歌は家を飛び出し、玲奈のところへ走っていった。

事情を全部話すと、玲奈が言った。

『分かった優歌。私にソイツを会わせてよ!』
G〜対面〜
そして、玲奈と感那を会わせる日が来た。

感那は何も知らずに、待ち合わせ場所で待っていた。

そして、ついに玲奈がやってきた。

優歌は木の後ろでこっそりと見ていた。

感那が言った。

『貴方・・・誰?』

『私は玲奈。優歌の幼なじみよ。

それから貴方の事、全部優歌から聞いてたわ。

あんたって凄いひどいヤツだね・・・』

優歌は、また何か言われると思い、ドキドキした。

『私は・・・ちゃんと優歌と仲直りしたよ。

それの何処が悪いの・・・!?』

『それはね、優歌の芸能が壊されてたのよ!!』

感那は驚いたらしく、何も言ってなかった。

『あたし・・・もう帰るね。バイバイ、玲奈ちゃん。』

感那が帰ると、木の後ろから優歌が出てきた。

『玲奈・・・あたしの為に本当にありがとね。』

『いいの。多分・・・芸能は直るはずよ。』
H〜会いたい〜
優歌は家に帰ると、泣きたくもないのに涙が出てきた。

そして、優歌は思った。

【感那なんかとどうして友達になったんだろう・・・

あたしをあんなにイジメて、何が面白いんだろう?

もう1度ちゃんと言った方がいいのかな・・・?】

ピンポ〜ン

『はぃ、誰でしょう・・・?』

『俺だ、優歌のお父さんだ。早く開けてくれ。』

優歌は、頭の中が真っ白になった。

あたしを捨てたはずの父がなぜいるんだろう・・・

『やだ!開けない!すぐ帰って!』

あたしは、13年間ずっと母と父を恨んできた。

恨んでいる者があたしの家に来るなんて、ゆるせなかったのだ。

『いいから早く開けろよ!』

『いやだ!あたしは13年間お父さんを恨んでたのよ!

0歳の時からお父さん達に捨てられて、今戻ってきたって

何も話すことないの!!

出てってよ!目障り!

あたしはお父さんにずーっと会えなかった。

でも、全然会いたくなかった。

お父さんはもうこの家の人じゃないの!』

すると、お父さんの怒鳴り声が止まった。

『俺は・・・お前を捨てたんじゃない。

お前を捨てたんじゃないんだぞ!』

『じゃぁ・・・何だって言うのよ、

捨てたんじゃないなら何なの!?』

――――つづく――――
I〜最終回〜
『俺はお前を捨てたんじゃない。

仕事が忙しくてお前どころじゃなかったんだ!』

そして、父は家から出て行った。

優歌は感那の家へ走っていった。

『ねぇ感那・・・さっきの仲直りウソだったの・・・?』

『もう遅かったんだよ・・・仲直りするのが・・・

私は優歌に心の中で何回も誤った。

でも、心の中じゃいくら誤ったって思いは届かない。

以心伝心でないと・・・』

『感那は・・・以心伝心の人はいるの・・・?』

私は、ちょっと悪いかなと思ったけど聞いてみた。

『私は・・・おねえちゃんかもしれない・・・』

ずっと1人っ子で友達もあまり居なかった私は

思わず涙をこぼしてしまった。

『優歌・・・何泣いてるの・・・?』

『感那が・・・うらやましい・・・』

そう言ったきり、私は逃げ足で家に帰った。

完成原稿の前に立ち、こんな事を言った。

『私は・・・以心伝心が居なくてもいい。

ただ生きてればいいんだ・・・漫画家としての人生を・・・

★終わり☆