顔の見えない好きな人



by
★☆アキ☆★




―予告―
いじめられて、一人、絶望の世界にいた私。

  でも、ある時から、私は変われた。


     そして、世の中を違う見方で、見れるようになった。



私を変えてくれたのは、ネット上の掲示板で、偶然知り合ったあの人。

   気がついたら、私は貴方を好きになっていた・・・・




 絶対に、叶わない願いだとわかっていたのに・・・・――。
―初めの私―
私の名前は風見 柘榴 (ふうみ ざくろ)。 

12歳の中学1年。

今日は、2005年11月7日の水曜日。

時間は2時半くらい。

そして、今私は、家の中にいる。

どうして学校に行ってないのかって?



・・・・引き込もりしてるから。

ワケ??    ・・・・いじめられたから。

だけど、悪いのは私だからしょうがないの。

何って行ったらいいか分からないんだけど・・・・



裏切っちゃった。

それでその腹いせにいじめられたの。

まぁ、しょうがないよね・・・・。


相手も、私の顔なんか見たくないと思うし・・・・



私も全く見たくない・・・・・

でも家にいても、面白くないから、正直、

学校に行きたいなぁ・・・・


そんなこと言っててもしょうがないから今日はPCでもやろうかな?

・・・・って言ってもいっつもやってるけど・・・・・。

今日もネットサーフィンしまくるぞー!

この中には私と同じ経験をした人もいるはずだからね。

きっと、少しは分かってくれると思うんだ・・。

私の痛み。

何のキーワードで検索してみようかな?


中学生 悩み 相談 引き込もり 経験者 いじめ 掲示板 チャット


・・・・・うん。  このくらいかな?

よし、検索!!・・・・



・・・・ヒットは1つだけだった。


気がついたら、もう4時。

これから見たいTVがあるから楽しみは次に取っておこう。

このページにアクセスするのはまた明日。

キーワードしっかりメモしておかなきゃ。


じゃあ、また明日ね。 ページさん。
―アクセス―
昨日が11月の7日、水曜日だったから、

今日は11月の8日、木曜日かな?

時間は・・・時計が5時20分を指している。


「早く起きすぎちゃったかな・・・??」

そんなことを思っていながら、

身支度をしている間に柘榴は、ハッっと思い出した。

「昨日見つけたサイト・・・・」

そう小声で言って、昨日のキーワードを記したメモを探し始めた。

そして、五分ほどして・・・・「あった!!!」


すぐにパソコンのスイッチをいれた。

そして、検索画面がでるなり、すごいスピードでキーワードを入力。

中学生 悩み 相談 引き込もり 経験者 いじめ 掲示板 チャット


・・・・そして、検索!!!

・・・・昨日のサイトはそのままだった。

思い切って、柘榴がアクセスしてみると、そのサイトはいたって、普通だった。


「悩んでいることを同年と話し合って、解決しよう!

       チャットと掲示板があって使いやすいですよ!」



と言う説明があって、小学生、中学生、高校生、大学生、その他と言う、

5つの年代に分かれていて、その分かれている中に、チャットと掲示板がある。

そんなシンプルなサイトだった。

とりあえず柘榴は、中学生の掲示板に書き込むことにした。




Name:ザクロ   Title:ひどい目に遭ってます。

私はとある中学校に通う普通の中学1年生でした。
でも、ある人にいじめられて、家に引きこもる毎日です。
 でもいじめられる原因を作ったのは私なんです。

いじめの内容はこんなものです。
・単純な悪口。
・無視(シカト)
・物を隠される
・机に菊の花がおいてある
・軽い暴力  etc・・・・
と言う感じです。
ちなみに、いじめは1人ではなくて、クラスのほとんどの人から受けています。

一応、原因を作ったのは私だから、何度か謝ったんですが、いじめはやめてもらえないんです。

先生に言っても、「被害妄想だ」とか、「お前が一番悪い」だとか、
相手にしてもらえないんです。
親にも自分が悪いので、怖くていえません。

私はどうしたらいいんでしょうか??









柘榴は上の内容を書き込んだ。

ひそかな期待を胸に秘めながら・・・
―奇跡の出会い―
昨日は書き込んですぐにやめちゃったから、ひょっとしたら、

レスが来てるかも知れない。

そんな期待を持って、柘榴は11月9日午前11時頃にPCをつけた。


そして、7日、8日と同じようにキーワードを入力。

中学生 悩み 相談 引き込もり 経験者 いじめ 掲示板 チャット


いちいち、キーワードを打つのが面倒くさいので、

柘榴はこのページをお気に入りに追加することにした。

柘榴の使っているパソコンは個人のもので柘榴しか使わないのだ。

ページにアクセスしてみると、昨日と何処も変わらない風景。



昨日の自分の話題のところを見てみると・・・・

レス一軒あり。・・・・「やった!!!」


心の中で、そう叫んで、柘榴は、早速レスを見てみることにした。





Name:修   Title: Re.ひどい目に遭ってます。

初めまして。  僕は修と言います。
ザクロさんと同じ歳の男です。

性別は違うけど、少しは、ザクロさんの力になれると思うんです。
よかったら、9日の午後5時に中学生チャットに来てくれませんか?

待ってますから^^






こんなレスが来ていた。

柘榴は「行こうかな?」と思ったけど、

「見たいTVもあるし、修って言う人が本当にいい人がわからないし・・」

と、いろいろ、言い訳を考えてやっぱり、行かないことにした。






Name:ザクロ   Title: ごめんなさい・・。

修さん。  レス&チャットへの招待、ありがとうございます。
でも、すみません・・・。  

今日はちょっと、用事があるので、チャットにいけません。
  でも、よかったら、メールアドレスを書いておくので、
そこに、メール、送ってください。


もっと修さんの事も知りたいですし・・・


それでは、またレス、お願いします^^






柘榴は、この書き込みとメールアドレスを書き込んだ。

修って言う人が本当にメールをくれるか、分からないけど、

一応、本物のメールアドレスを。


そして、柘榴は不安と共に、少しの、希望も感じた。



「この人が私を救ってくれるかもしれない」と。
―信頼―
柘榴は書き込んだ次の日から、ひどい風邪で、寝込んだままだった。

でも今(11月16日 午前10時34分22秒)は、ほとんど回復して、

残っている症状は、ボーっ・・・としている事だけだった。



そして、ボーっ・・・としている柘榴は、思い出した。

「あっ・・・あのサイトッ・・・・」



柘榴はまだ、重く感じる体を持ち上げて、PCのスイッチを入れた。




お気に入りに、入れた「あのサイト」・・・・

あのサイトでは呼びにくいので、柘榴は名前を考える事にした。


・・・・・!!

よく見たら、サイトの入り口の一番下に小さく書いてあった。

「此処のサイトの名前は『Shut up』(シャラアップ)です。」


………Shut up…?……直訳すれば・・・黙れ……?

さらに、その隣に、もっと小さい時で・・・・

「サイト名の由来は、『管理人がただ、なんとなくおもいついたから。』
以上です。」


「・・・・・・そうなんだ・・・・」そう柘榴は軽くながした。

そして、あの掲示板に行った。


前の自分の書き込みを見てみると、メールアドレスを書いていた。

急いで、自分のPCメールボックスを見てみると・・・「新着メッセージ一件あり。」

掲示板に書き込んでくれた修って言う人からだった。



差出人;修    宛先;ザクロ様     題;此処では初めてですね^^


此処では、初めましてですね^^
ちょっと、風邪を引いてしまって、ずっと寝込んでいました^^;

レスが遅れてしまって申し訳ありません(__)


風邪が治って、あの掲示板に行ってみたら、ザクロさんのメルアドが書いてあったので、本当に嬉しかったです。

僕のことを、信用してくれたって事ですよね?

ありがとうございます^^


僕もザクロさんの事を心から信用します。
ザクロさんの力になれるように、努力しますので、よかったら、
これからも、メールでお話しませんか?

良いお返事お待ちしております。






差出時間を見てみると・・・昨日の真夜中だった。

わざわざ起きて、送ってくれたのかな・・・??


そう思うと、柘榴は少し、嬉しくなった。

そして、返事を送った。




差出人;ザクロ   宛先;修様     題;メール有り難う御座います^^


お久しぶりです。
レスが帰ってくるのをずっと待ってたんですよ^^

・・・・・・冗談です。
実は私も風邪を引いてしまって寝込んでしまっていたんです。

お互い様ですね^^



私も、人にたくさん見られる掲示板よりかは、メールのほうが良いと思います。


私なんかのために努力なんて・・・・

私なんかでよかったら、これからも、相談に乗ってください。

宜しくお願いします^^





柘榴はこの内容を送り、電源を切った。

柘榴自身は、気が付いていなかったが、

柘榴は修のことを信頼しきっていた。