プールサイドの手乗りグマ
by
芽羽
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植草 沙希。 プールの試験2級をうけた。 合格。良かったぁぁぁ−−−−−−−!! 私はプールから出た。 するとそこには・・・クマ・・・? 手のひらサイズのクマがいる。 『貴方が沙希ちゃん?』 手のひらサイズのクマが言った。 『ぅん、沙希だけど・・・どうして名前知ってるの?』 『そんなの今関係ないよ。 僕は沙希担当なんだよ。』 この子、何言ってるの? 『私担当って・・・どういうこと?説明してよ。』 『此処はクローバー町1丁目でしょ? 僕はそこに住んでいる沙希って子の担当なんだよね。』 ふーん、そーなんだ。 『沙希ー、誰と話してるんだー?』 手乗りグマは私の真ん前にいるのに、何で見えないの・・・? 今まで科学を信じていた私は・・・違かったの? 『僕は他の人には見えないよ。 そぉぃぅ体質に最初からなってるんだ。 おっと、自己紹介が遅れたな。 僕の名前は、プール。プールサイドに座るのが大好きでね。』 プール・・・?そんな名前なんだぁ... 『ょろしく、プール。』 『うん。よろしく。 そういえば沙希・・・次1級か。頑張ってね。』 プールがそう言った時、プールの目にプールサイドが映った。 いつもと全然違う、輝くプールサイドが。 〔この子は何かの才能を持っている...〕 『おーぃ、沙希。一体誰と話してるんだ?独り言か?』 『ぁ、ぃえ...気にしなくていいです。 私、先に帰りますね。』 沙希はさっさと帰ってった。 後から手乗りグマ・・・じゃなくて、プールが付いてくる。 『僕、泳ぐのが得意なんだょ。 息止めだって言われた時間までずーっと出来る。 実はね、手乗りグマって生まれたときに好きな体質が選べるんだ。 僕は担当の人にしか見えなくてプールが得意な体質って決めたんだ。』 ほほぉ。凄い情報聞いちゃった。 ・・・もし私が手乗りグマだとしたら どんな才能を持ってるんだろう? 私はそんな事を思っていながら家に帰った。 『沙希、お帰りー!合格したんだって?良かったねー』 お母さんの喜ぶ声。 『別に、そこまで難しくないよ』 私はそれだけ言うと2階へ行った。 『沙希、今のがお母さん?美人だね。』 私のお母さん老けてるけど・・・ 私がそう思ったとき、プールの目に映ったプールサイドのことを思い出した。 プールには本物と反対のものが見えるのかな・・・ じゃぁ、私でためそう。 普段私は可愛いって言われてるけど・・・ 『ねぇ、私の顔どう?』 『ブサイク。』 やっぱりそうなんだ・・・プールに本当の事を教えなきゃ。 *つづく* |