誰の為に空吟を



by
葉月!★






プロローグ
「フェンリ。人間界に行きたいの?」
フェンリ・リーハ 
空の上にある、人間界と別の「空の世界」に住んでいる。
それは人間と違って・・死神みたいな警備隊・・。
殺されても生きつづける・・

「あのー・・道教えてくれませんか・・?」
目が見えない人間、チル。
フェンリとある日出会う。

「・・yusemwd.dfmasds」
ある呪文
フェンリを人間界に行かせた理由・・
本当は行ってはいけないのに。
なぜ?

そしてフェンリ達の世界の警備隊。
フェンリの仲間
「チルさん、死んでくれませんか?」


「どうしていわなかったんだよ!!!」
@ 人間と言う言葉を聞けば
「アーク!シェイド!」
ある世界に一人の男の子がいた。
その名は「フェンリ」
ここはお城。フェンリは次の王様になる人だ。
「なんスか?」
こいつはシェイド。いつも長い棒をもっている。
「人間界にいきたいっ!」
フェンリは人間界の地図を見て目をキラキラにした。

「何いってるんスか!?人間界はあぶ・・――」
「朝倉の丘には門番のサイドがいる。
サイドに聞けば人間界への入り口がわかる・・――」
本当はいってはいけないところ。なのになぜアークは教えたのだろうか。
フェンリはスキップで部屋に荷物をとりに戻った。

「アークちゃん。どうしておしえたんスか」

「人間と出会って・・最後に傷つくのはフェンリなのよ・・――」

その頃フェンリは、荷物を持ち朝倉の丘へ向かっていた。
「ちょっとまてよ。お前ちゃんと許可もらってんのか?」
朝倉の丘についたとたん、サイドと名のる者に厳しくいわれた。
「・・えっとー・・」
「てゆーかお前だれだよ」
「えーと・・」
会話が続かず、サイドは一度何かを考え、ふーんとにんまり笑った。
「お前次王子になる奴か。そんな奴がなんでここにきてんの?」
「人間界に行きたいんだ。」

「人間界って・・!人間は腐って・・」

「でも!心の優しい人間だっている。
昔からこの世界の人々は人間を恐れていた。
殺人などをする人間を」
「だから腐っているんじゃないのか?」

「人間は全員腐っているわけじゃない。
心の優しい人間だっているはずだ。」
フェンリはあせりながらも、言い切った。
「それなら通してもいいぜー。でも条件がある」

「・・?」
「友達になってくれよ!」
「え?」
「俺、ここにずっといるから友達いねぇんだよなぁ。
だから・・その・・友達ほしくってよぉー」
サイドはてれていた。顔は真っ赤だ。
「いいよっ。よろしく」
二人は握手した。
友達という約束の。

「・・我・・扉に宿いし者よ・・今こそ扉を・・――」
サイドは意味不明な呪文を唱えた。
すると、扉が開いた。
「サイドッ!ありがとう!」

フェンリは危険な人間界への扉にはいっていった。

つづく
A チルと名のる少女
「ここが人間界かぁ・・」

フェンリは人間界をうろちょろしていた。
「あ・・あの・・道教えてくれませんか・・?」
【この人間・・目が・・】
フェンリはにっこりわらった。
「いいですよ。どこですか?」

「ここ・・」
その人間の少女は地図をだし、フェンリに渡した。




「ここです・・よね・・?」

「なんて書いてあります?」
「小林」
「あ・・ここです。ありがとうございました。」
フェンリは「いいえ」といった。

人間の少女はにっこり笑った。
「あの。私小林チルと申します。よかったらお礼にお茶でも飲んでいきませんか?」
チルは頭をさげた。

「あ、よろこんで。」
こうしてフェンリは中に入った。
「あの、名前なんていうんですか?」

「フェンリです。」
チルと名のる少女はきょとんとした。
「ハーフのかたですか?」

【ハーフ?】
「え・・はい」
フェンリはでたらめにいった。
「それより、なんで目がみえないのに外にでたんですか?」


「お姉ちゃんがかぜひいて・・夕飯の買い物ができなくなっちゃって。
目が見えなくても役にたちたくていったんですけど・・」


「やっぱりむりでした・・;」
チルはてへっと手を猫の手にし、頭にくっつけた。
【これが・・人間】
フェンリはにんまり笑った。



人間は腐っている
そんなのデマだ。

人間は優しい。




人間が殺しをするわけ・・――
ないとおもう。




「・・!!!!!!!!!!」
フェンリはシェイドのけはいを感じ、ドアをあけた。
「ちわーっス」

「シェイド!?なんでここに・・!?」


「実はでスね・・」

つづく
B あなたを殺さなければいけない
「チルさん、あなたに用があるんスよ」
「私に・・?何でしょう・・えっと・・」
「俺はシェイドっス。あのですね」
シェイドは一瞬悲しい顔をした。


「死んでくれませんか?」

「え?」
「おいシェイド!冗談もほどほどに・・」
「すみませんっス。しばらく眠っていてください。」
シェイドはフェンリを眠らせた。

「あなたが死なないと、この世界は滅びるんです。」
「・・・・え?」
「いけにえなんですよ。あなたは・・」

それは100年に一度起こる事である。
「嫌だと言ったらどうするんですか・・」
チルはふるえながら精一杯言った。

「あなたを捕まえて殺すしかない」








なんでだろう
なんで生きているだけなのに
「わかりました・・」

僕等の世界は腐っている。
人間界は腐ってはいない。

腐っているのは僕等のほうだった。
「すみませんっス。チルさん・・」
ザッ・・


フェンリは起きた。隣には血だらけのチル。
「ごめん・・守れなくて・・」


フェンリはそういい残した。

あったばっかりだったけど
運命みたいだったよね。