無題



by
★えみり




「鳥になって飛んでみたい」

そうつぶやいた僕の言葉に君は泣いた

「鳥になったらあなたの腕は翼になってしまう」

そう言って君は泣いた

僕は君の涙を指でぬぐって、抱きしめた

天使になれるほど清くないのは分かっている

だけど君と手をつなぎ、君を抱きしめていたいから

僕はつぶやいた

「鳥になんてなりたくないよ」