裏切り者



by
砂功羅





1〜仲間〜
『ふざけんな・・・俺はお前と関わりたくないんだ!』

『あたしもよ!絶対絶対関わらない!』


星野 千軽(hosino tikaru) 12歳

『奈々・・・慎二・・・どうして裏切るの?

この裏切り者ッッ!』

千軽は絶対こんな事言う女の子じゃなかった

だけど言うしか無かった

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『奈々ぁぁ!今日遊べるぅ?』

千軽が奈々に近寄った

『もっちろぉん!遊べるよッ♪』

『お前ら6年のクセしてガキだなぁぁ!!』

『もォ、慎二ったらおせっかいだなぁ!ガキぢゃねーよーだッ!』

3人は男女関係無く凄い仲良しだった

『それぢゃ、奈々、今日わ3時から遊ぼッ!!』

―――公園に着いたよお―――

『千軽ー!こっちこっちィ♪』

『ちょっとォ、何で慎二まで居るのおおおお!?あははは』

『いーぢゃーん ガキの遊びちょっと見たかったし』

もお、ふざけんなーって感じだなあ

『ねえ、ちょっと千軽こっち来てくんない?』

やばい あの事かも

そう、千軽わ1年生の時から慎二の事が好きだった

でも今の関係を壊したくなかったから告白しなかった

『千軽・・・あんた慎二の事好きなの?』

『・・・ううン 好きなんかじゃないよ

だって友達だもん』

すると奈々はキッとあたしに視線を向けた

『そンなの誰だって分かってるの!!』

へ?何で?あたしまだ誰にも教えてないのにぃ・・・

『裏切らないでよッ』

奈々・・・一体どーしちゃったの・・・?

『あたしが慎二のこと好きなの知ってるくせに!仲良くしちゃって・・・』

『そッ、そんなぁ・・・あたし仲良くなんか・・・』

『してるじゃん・・・いいよ 裏切るんだったら・・・

さっさと裏切れば!?』

奈々と喧嘩なんて入学以来初めて

そこへ慎二がやってきていった

『千軽・・・俺さぁ・・・実わ奈々に告白したんだ・・・

でも千軽・・・裏切り者になったっぽぃな』

へ・・・?どうしてあたしが2人に裏切り者扱いされるの?

ずっと仲良しだったのに・・・なんで?

―――つづく―――
2〜相談〜
『だって・・・そーなんだろ?』

千軽は何にも言い返せなかった

『千軽・・・おい千軽・・・何か言え・・・』

千軽は奈々と慎二を恨んだ その目には悪の心がまじっていた

『このッ・・・このッ・・・裏切り者ッ!』

千軽は奈々と慎二に思いっきり怒鳴った。

『裏切り者わどっちよ!?千軽の方が裏切り者よ・・・』

千軽は急いで家に帰った。

『千軽ぅ〜♪お帰りッッ!夜ご飯わステ〜キよお♪』

ハイテンションなママがお出迎えをしてくれた

でもそんなの千軽は無視した

『千軽ぅ?千軽ぅ?そんな顔してどーしちゃったの?』

うるさいなぁ・・・ママなんかに話すわけないじゃん

自分の部屋へ入ったらお姉ちゃんがいた。

『うわぁぁぁ!どーしたの!?』

お姉ちゃんなら話せるかもしれない・・・もしかしたら

『いつもわハイテンションで部屋に入ってくる千軽がぁぁ!』

『・・・ちょっと来て』

千軽はお姉ちゃんの手を引っ張った。

『・・・裏切り者扱いされたの』

お姉ちゃんは少しも何ともビックリしない・・・。

『・・・千軽。千軽は何にも悪い事してないんだよね?』

『うん・・・』

『そンなの慎二君と奈々ちゃんが間違ってるよ』

あたしだってそう思うけど・・・言い返せないし

『千軽・・・千軽わ明日いじめられると思う』

え・・・何もしてないのにいじめられる?どうしてなの?

『・・・あたしだって同じことあったから・・・とにかく気をつけな』

そんな事・・・出来るのかな・・・。

―――次の日―――

『ママ・・・あたし学校行きたくないなぁ・・・』

『えーッ!?どーしちゃったの昨日からぁぁ!

でも学校だけはちゃんと行きなさいッ!』

しょうがない・・・これわ行くしかないのかなぁ・・・。

―――中学校―――

教室へ入るとみんなのお喋りがピタッと止まった。

千軽の席は、窓側の1番後ろの席。

後ろの席へ行くため、通路を歩いていくと、皆がコソコソしてる。

『千軽・・・いつもは元気いいのにどーしちゃったんだろ・・・』

『何か悪いことでも起きたんじゃない・・・?』

そんな喋り声も千軽にはしっかり聞こえた。

そこへ、奈々と慎二が教室の中へ入ってきた。それもニヤニヤしながら・・・

2人はあたしの席に来た。

『千軽、おっはよー!』

『暗い顔して・・・どーしちゃったんだよお。』

え、これ・・・一体どうなってんの?

―――つづく―――
3〜凶悪〜
本当にこれって・・・現実に起こってるの?



『本当にどーしちゃったんだよお、千軽。』

千軽はついに耐えられなくなった。

『奈々ッ!慎二ッ!あんたらふざけてんじゃねーよッ!!』

でも奈々と慎二は平気そうな顔してる。

『はあ〜?あたしらが何をしたってゆーの?』

『そーだよお。キレて俺らを怖がらせられると思ってんのかよ?』

その喧嘩をクラスの皆がじっと見ている。

『おい・・・あの3人どーしちゃったんだよ?』

クラスメートの健太がそうつぶやくと、奈々が黒板の前に立った。

『千軽・・・あたし達の事裏切ったんです』

その言葉と同時にクラスがざわめく。

奈々はニヤッと千軽を向いて言葉を続けた。

『皆・・・千軽の事いじめてやって下さい 宜しくお願いします』

奈々の言葉が終わると、先生が来た。

皆は千軽のほうをチラチラ見ながら席に座った。

先生は喋りだした。

『えーッと、今、奈々が立っていたが、どーしたんだあ?』

すると、慎二が素早く立って

『星野千軽が俺らを裏切ったんです・・・』

『なにい!?星野、休み時間に先生の所に来い。いいな?』

―――休み時間―――

『先生・・・』

千軽は、しょぼくれながら学習室に入った。

そこには怒り顔の先生が居た。

『星野、裏切ったって馬路の事なのかあ?』

『・・・あたしがそんな人に見えます?』

先生は黙った。どうやら千軽の言葉に迷ったようだ。

『星野、俺は星野の事を尊敬している。

そんな人に見えなくたって、やる人はやるんだぞ?』

『先生ッ!!いい加減にしてくださいッ!!』

『星野ッッッ!!!!』

先生はキレたあたしに怒鳴りつけた。

『どう裏切ったかとっとと説明しろ!!そうじゃないと・・・』

学習室の前の廊下に校長先生が居た。

『先生ッ・・・あたし奈々ちゃんと慎二君と3人で仲良くしてただけですッ

それなのに奈々ちゃんと慎二君は両想いだったから・・・

何で仲良くしてるんだッて言われて・・・』

千軽の涙には大粒の涙が流れていた。

『星野、お前それ以外に本当に何もしてないよなッ?』

え・・・そンなの急に言われたって・・・

何で皆こんなに凶悪になってしまったの・・・?

―――つづく―――