白風族シロ


by
草鹿 やちる


第一章 捨猫

ある家に四匹の猫が生まれた。
一匹目は茶色いまだら模様の猫で二匹目は白と灰色のまざった毛のふさふさな猫で三匹目はきれいな灰色の毛並みのかわいい猫で四匹目はただ真っ白な猫だった。
飼い主は一匹目をロールという名前にし、二匹目をルルにし、三匹目をフリルにした。そこまでは飼い主はいろいろ考えながら、時間をかけて名前をつけたが、最後の四匹目はどうでもいいような声や目つきでシロとなづけた。

さて、猫がうまれてから三ヶ月間がたった。猫も目がひらき、少しばかり歩けるようになってきた。
そして、ある日猫たちが、昼ねの時間をとっていると、四匹の中に上からにょいと手が入り、シロをつかんでダンボールの中にいれ、飼い主はダンボールを車にのせたまま、車にのって3km先の町に近い草原にいってシロの入ったダンボールをおいていってしまったのだ!

シロが目をさめたときにはもう車はなく、見知らぬ草原が広がっているばかりだった。
シロはなにがどうなったのかわからなかった。自分のお母さんもいないし、いったことのない草原やはじめてみる虫や草。遠くには四角いブロックがいっぱいあった。もうシロにはなにがなんだかわからなかった。
しばらく身動きができなくなっていて三十分ほどたったらようやく動けるようになった。
シロは何かしなければ仕方がないと思い四角いブロックのほうへと進んでいった。 
 
                    第一章 捨猫 終わり

第二章  街中

シロは数分歩き続け、やっと四角いブロックの集まりについた。
四角いブロックは遠くから見たらそれほど大きくなかったが近くでみたら自分の何倍もあるのでビックリした。
四角いブロックには上に三角の立方体がのせてあってそうでないものもあり、どのブロックにも透明な板がはめこんであった。
シロは透明な板をみたことがあった。
透明な板というのは窓だったのだ。だからブロックとは家で上に三角の立方体がない家はビルやマンションなのである。
ふとシロはいい匂いをかぎつけ、それにつられてどんどんあるいていった。
いい匂いの原因は肉屋だった。
屋根にはソーセージがたくさんつるしてあり、台の上にはものすごくおいしそうな肉があった。
肉屋を見つめているうちにふと肉屋のちかくのビルとビルの間に六匹の猫たちが肉屋の肉をねらおうと作戦をたてているのが目に入った。

シロはそっとその集団に近づいていった。

                    第二章 街中 終わり

第三章  六匹の仲間

シロは集団に近づきはじめ、集団のまんまえにいった。
そしてシロは集団に声をかけようとしたそのとき
先に集団のリーダーらしきものから声をかけられた。
「何か・・・用か?」見知らぬ猫は行った。
「あの・・・なにしてるんですか?」シロはとまどいいうはずのなかった言葉を口にしてしまった
「そりゃあ、あの肉をうばおうとしてるのさwそんなこともわからなかったのか?」見知らぬ猫は顔をしかめていった。
「わかってました。。ビックリして違う言葉を話してしまったんですよ。。」シロは気の弱そうに言った。
「じゃあ言いたかったことはなんだ?」見知らぬ猫はいった。
「なんでb僕はここにいるんですか?」シロはいった。
「はぁ?」集団全員が大声をだしてシロを見た。
「待て待て!そんなこと俺たちが知るわけねぇだろうが!」集団のなかの一匹がいった。
「ぇ?だって今日までお母さんのいるとこにいたのに・・・寝てたらいつのまにここに近い草原にいて・・・・」シロがおどおどしながらいった。
「それはきっとそれはきっと捨てられたんだな。」リーダーらしき猫がいった。
「ぇ?」シロがおどろくような目つきでいった。
「捨てられたんだ。きっとおまえが気に入らなかったんだろう。かわいそうにな。」リーダーらしき猫は少し悲しそうな声でいった。
「ぇ。。じゃどうすれ・・ば・・・。」シロがすわりこんでいった。
「う〜ん。このままじゃおまえ一人では生きられないな。。そうだ!俺たちのグループにはいらねぇか?」リーダーらしき猫が明るい声でいった。
「グループって?どーゆうことさ?」シロがいった。
「俺たちの仲間になるってことだよ!悪くねぇだろ?」リーダーらしき猫はいった。
シロは少し考えてから「うんw」といった。」
シロはグループの一員となった。
それでまたシロを入れたグループは作戦を考え始めた。

                    第三章  六匹の仲間 終わり