ある家に四匹の猫が生まれた。
一匹目は茶色いまだら模様の猫で二匹目は白と灰色のまざった毛のふさふさな猫で三匹目はきれいな灰色の毛並みのかわいい猫で四匹目はただ真っ白な猫だった。
飼い主は一匹目をロールという名前にし、二匹目をルルにし、三匹目をフリルにした。そこまでは飼い主はいろいろ考えながら、時間をかけて名前をつけたが、最後の四匹目はどうでもいいような声や目つきでシロとなづけた。
さて、猫がうまれてから三ヶ月間がたった。猫も目がひらき、少しばかり歩けるようになってきた。
そして、ある日猫たちが、昼ねの時間をとっていると、四匹の中に上からにょいと手が入り、シロをつかんでダンボールの中にいれ、飼い主はダンボールを車にのせたまま、車にのって3km先の町に近い草原にいってシロの入ったダンボールをおいていってしまったのだ!
シロが目をさめたときにはもう車はなく、見知らぬ草原が広がっているばかりだった。
シロはなにがどうなったのかわからなかった。自分のお母さんもいないし、いったことのない草原やはじめてみる虫や草。遠くには四角いブロックがいっぱいあった。もうシロにはなにがなんだかわからなかった。
しばらく身動きができなくなっていて三十分ほどたったらようやく動けるようになった。
シロは何かしなければ仕方がないと思い四角いブロックのほうへと進んでいった。
第一章 捨猫 終わり
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