冬の小道



by
砂功羅



プロローグと自己紹介
――――あの出会いは偶然なのか



私の胸に突き刺さる

 あの 貴方の笑顔


どうか忘れないでいて下さい―――






自己紹介

天田 小雪(あまた こゆき) 主人公。

天田 美雪(あまた みゆき) 小雪の双子。

櫻田 和司(さくらだ かずし) 小雪が片思いをしている。

泉 春貴(いずみ はるき) 小雪に片思いをしている。

渡利 飛鳥(わたり あすか) 小雪と美雪の友達。
1〜偶然〜
――キーンコーンカーンコーン

チャイムが会場に響き渡った。

小雪は中学の入学式の会場にいた。

『ねえ〜美雪?ちょっと長すぎない?入学式。』

『うーん、言えてる。校長が厳しくなったとか言ってたけど・・・』

こんな私に友達なんか出来るのかなあ?

『ねえ、美雪。私、隣の子にちょっと話しかけてみるよ。』

美雪の隣に座っていたのは、渡利飛鳥。

『ねえ・・・貴方の名前は何て言うの?』

そう、この一言が偶然の出会いであった。

『え、私?渡利飛鳥って言うんだよ。貴方は?』

『天田小雪。よろしくッ!☆』

―――教室だよン―――

あ、あたしの隣は・・・櫻田和司?さくらだかずしって読むのかな・・・。

『あッ、あのッ、よろしく。』

小雪は和司に何となく話しかけてみた。

すると、和司はむすッとした表情を消して

『うン。よろしくー!』

と言ってくれた。この時すでに恋が始まっていたのだろう・・・。

すると、誰かに肩を叩かれた。

小雪が振り向くと・・・

『俺、春貴って言うんだけど・・・お前の名前は?』

『天田小雪。あたしの右隣かあ。よろしく。』

何となく普通の返事をしてみた。こ、これでいいの?

私は前の席の美雪の背中を叩いた。

そして、今あったことを全部話した。

『あ、全然OKだよッ。この調子で友達作っていこう?』

美雪はウインクして見せた。

『・・・と言うことです。』

担任の先生の話がようやく終わった。長かったー。

そして下校になった。もちろん私は美雪と帰る。

とぼとぼ歩いてたら、誰かに肩を叩かれた。

『ねえッ、小雪。一緒に帰らねー?』

『おッ、小雪って双子だったのか?』

和司と・・・春貴・・・。てゆーかこの春貴はさっきからやたらと

私についてきてて・・・。

『双子ちゃンも、よろしくッ!☆』

『小雪と似てるね。』

わッ、私・・・男の子と喋ったことってのがあまりなくてッ・・・。

『2人とも、家何処なのー?』

『あッ、あっちです。とにかく、さいならー!行こう、美雪。』

美雪も男性関係があまりなくて・・・

てゆうか、私より男性関係ないかもしれないッ。

『おッ、おいッ、まて、小雪と美雪ー!!』

うー、どうすんのよー。

でもこの出会いって・・・本当に偶然なのかなあ?

―――つづく―――
2〜事故〜
この調子で何日かが過ぎていった。

小雪はつぶやいた。

『早く冬が来ないかなあ・・・。来てくれないかなあ・・・。』

『えッ?』

美雪が声を出した。

『だってえ、私達の名前、冬に関係しているからね。』

『??』

すると、向こうからお母さんの声がした。

『回覧板有難うございますぅ。わざわざすいませぇ〜ン!』

そして戸をガチャンと閉めた。

あれ?お母さんの顔が何か青いような気が・・・。

『小雪・・・美雪・・・この回覧板見てちょうだい・・・』

ど、どうしたの?

1ページ目に、何かの文字がでっかく書いてあった。

『むむむ?』

【天田紀夫さん、交通事故】

『お、お父さんが交通事故・・・。何で?』

『命は助かったみたいなんだけど・・・喋れないって・・・。』

確か、お父さんは一昨日、2泊3日の出張に出かけたんだよね。

じゃあ、まさか1泊目に・・・

この回覧板は、この町だけだからいいけど、どうして・・・

『ピーンポーン』

『はい?誰でしょう?』

美雪がでた。あれ?何か何かが止まっちゃってない?

『あ、あんたら・・・何で私達の家知ってるのよお!!』

目がめっちゃ怒ってる。と、ゆうことは・・・?

『和司と春貴!!』

小雪が叫んだ。すると美雪は

『飛鳥もよ。こんな3人で押しかけてくるなんて・・・

まさか、春貴、私達の事ストーカーしてた?』

お母さんはショックで固まっちゃってるし、美雪は怒りで

何もかも忘れてるし・・・

しょうがない。あたしが出てみるか。

『小雪〜☆お母さんショックうけてたけどどうしたのぉ〜?』

『お父さんが交通事故よ。こんな都合の悪い時に

3人で押しかけてこないでッ』

あッ、やばい。和司君と飛鳥もいたんだ・・・

『あッ、えッと、飛鳥と和司は許すから、帰っていいわよおッ

春貴はお説教よ!!土下座しなさいッ!』

ねえ・・・何で春貴は私に付きまとうの?

神様・・・まさか、まさか、まさか、まさか、春貴は私の事・・・!

―――つづく―――
3〜喧嘩〜
その時、電話がかかってきた。

『はい、もしもしッ!天田ですけどッ!』

さっきのショックが立ち直ったみたいにお母さんが出た。

『えッ、お父さん、助かりました!?

ど、どうも、ご迷惑をおかけしてすみませんでしたねえ。』

!!

お父さん助かったあ・・・。

とッ、とにかく春貴にお説教だよッ。

『春貴!!あんたストーカーすんの辞めてくれない?』

春貴は自分の事を好んでくれてるのに、どうしてこんな強い言葉が

いえるんだろう・・・

『だって・・・俺、小雪の事が好きだけど・・・和司に・・・』

知ってます。全部知ってます。

『・・・・・だカラ、それを謝ってよ。

ストーカーなんて私達くらいの歳じゃやらないよ。』

『ごめん・・・・・。俺が全部悪い。だカラ許さなくてもいいけど・・・』

『まあ、とにかく帰って。寒いでしょ?』

ちょ、ちょっとキツかったあ?まあ、いっか。

―――とカ言って登校日―――

『おはよーございますッ!!』

小雪と美雪が同時に叫んだ。ナイスタイミングッ!

『こーゆきッ!!』

後ろから肩を叩かれた。え、誰カなあ?

『私だよ、あたし。飛鳥!!』

ああッ、あッ、飛鳥ね。飛鳥かあ。って何感心してんだろう・・・

『実は私・・・ねッ、和司の事が好・・・』

『おらおらおらおらおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』

み、美雪!?いったいどうしたの!?

『飛鳥!!あんた小雪が和司の事好きって知ってるくせにぃ!!』

『美雪ッ!やめて!!』

ちょっと、この新展開わ何よ・・・何が起こったってゆーの!?

―――つづく―――