人魚姫の恋



by
萌―★




koi01
人魚の恋は甘くてしょっぱい・・――
「人魚・・?」

人魚は、本当に実現していた。

「私も・・だけど私は人魚姫」

海の中のお姫様、人魚姫の由愛(yume)・・――
由愛に恋をする男の子、章(syou)・・――

「私の事は忘れて・・?ね?」
『生まれ変わっても、この先ずっと
あなたの事はきっと好きになっています。』

『ありがとう』と『さようなら』
二つの意味と、しょっぱい涙。


「・・・・ッ!!」









「私はただ、あなたに愛されたかった・・。
でも、遅かったの。ごめんなさい・・――。」


切なく甘い物語!
スタートッ!


登場人物は↑に書いてある
由愛と章です。
koi02
「ここが・・人魚のしずく海」
そう呟いたのは、中3の少年だ。
人魚のしずく海という海は人魚の涙のしずくでできた海である。


まぁ、これは噂見たいなもの。

信じる人がいないのは当たり前。


でも、この少年だけは信じている。
小さい頃に、一目だけ人魚に会ったことがあるから・・――。

少年の名前は章。
10年前、章は5歳で海に行った。
その海はとってもきれいだ。

海の真ん中あたりには、人魚の象がある。


「人魚だぁー!」
章はそうはしゃいで、奥深くまでいってしまった。
「章ーっ!章ー!」
章のお母さんは章を助けようとしたが、深すぎてもぐりこめない。


章はなぜか、海の中でも息ができていた。しゃべることも平気だ。
服もぬれていない。
そして目の前には人魚。


「あぶないよ。帰ったほうが良いよ」
人魚の象の子と同じ子だった。




「人魚さん・・―?」
章は眠った。そして目覚めたら、お母さんがいた。

こんな感じで、章は人魚にお礼を言おうとおもい、来たんだ。
「あなた、誰」
そう声がしてふりむくと、10年前の人魚がいた。


「君は・・」
「私は由愛。人魚の街のお姫様をしているの。」
由愛は自己紹介をしてニコニコ笑った。
「俺は・・――」
「しっているわ。章、だったかしら?ごめんなさい、覚えてないわ」
「章であっています。」


章は、自分の名前を知っていてもらって喜んでいた。


「本当に久しぶり。で、章、なんかようがあるの?」
由愛は、水色の髪をなびかせてそういった。
水色の髪は、空の色と合体していい色だった・・――。



「いや、別に・・」
「そう・・じゃぁ、ちょっと話していかない?」
人魚姫はそういって、ニコニコ笑っている。
人魚姫は岩の上に座っている。


「私ね。人魚だから恋したら泡になるんだって」

由愛はそう苦笑いして、悲しい顔を見せた。
「泡になるのは嫌。でも恋もしたいの」
由愛はそう言って空を見た。



空はオレンジっぽくなっていく。
「そろそろ時間。さよならね」





「また明日もきていいですか?」



人魚姫は100万ドルの笑顔をしてから、海の中へもぐった...
章はその姿にときめいた。
そして笑っていた。






章と由愛が出会ったせいで
由愛が泡になるとも知らずに...

To be continued...(^ω^)
koi03 完
知っていた。
いつか僕は君の事をいとしく思うと。

知っていた。
いつか私は君の事をいとしく思うと。


知っていても手放せない。






〜1年後〜
「由愛さんー。今日学校で・・――」
章が由愛にいろいろな事を話した。
由愛はうれしそうに笑っている。
楽しそうでうれしそう。由愛の笑顔で章は元気になっている。

そんな日がつづいたせいで、由愛はいなくなったのかもしれない。
泡になったのかもしれない。

「マーメイドの話を知っている?」
由愛が問いかけた。章はパンを食べながら答えた。
「ひっへる(しってる)」
章は自分のバッグからある一冊の本を取り出した。
題名『マーメイドの最後』
「これですよね?」

マーメイドの最後の内容
ある海には、一人の人魚のお姫様がいました。
そのお姫様は人間に恋をしてしまいました。
そして、二人が両思いになったとたんに
人魚は泡になり消えてしまいました。


「知ってて私に近づいたの?」
由愛は睨みながら章を見る。
「・・?」
「もうここには来ないでッ!!私が泡になっちゃう」
「なんで・・ですか?」



「私が章を好きになってしまうから・・ッ!」
由愛はそういって海の中にもぐりこんだ。

「「俺はッ!!!」」
章はそう叫んだ。
「もしも俺が死んだとして、生まれ変わっても俺はきっと、由愛の事をまた好きになるとおもう。」



章は手で口をおさえた。
両思いになってしまったからだ。


「マーメイドの話にはつづきがあるのよ」
手足が泡になってゆく。





「最後には生まれ変わって、過去に好きになった人と結ばれるのよ――」










――10年後――
由愛が消えてから10年がたった。



どんっ

「あーっ!ごめんなさいっ!」
目の前にたっているのが違う人でも
声はにている。いや、同じだ。


「由愛?」

もし由愛が生まれ変わったとしても、

僕たちはまためぐりあえるはず。




人魚姫の恋は永遠につづく。


人魚姫の恋 完