記憶の中の村



by
砂功羅



1〜村〜
「私が昔・・・村に住んでいた?」

私はエマ。年は216歳だけど、中学2年の女の子。


「・・・そうよ 貴方は村に住んでたの」

母は言う。私が3歳の時に私は村に住んでたと言う。

「でもっ・・・私の記憶の中になんか村に住んでいた記憶なんてない。」

そりゃあ私が216歳だからだと最初は思った。

でも私よりもっと長生きしてるお母さんが覚えてるから・・・


ドスンっ

「ひえっ!!いったぁ・・・あれ、お母さん?」

「あれ、お姉ちゃん、誰?」

目を良く凝らして見たら、そこには3歳くらいの女の子が。


「これは貴方が3歳の時。

此処が貴方が昔住んでいた村なのよ?」

後ろにはお母さんが立っていた。

「じゃぁ、私は家に帰る。昔の自分と良く話し合いなさい」

お母さんは後ろを振り向くと、何かブツブツ喋った。

そのブツブツが終わった瞬間・・・

お母さんがそこから居なくなった。


「おねえちゃん?おねえちゃん?」

聞き覚えのある声。3歳児くらいの声・・・

「あっ、さっきの・・・」

3歳児の自分だった。小さい指を伸ばしている。

「あのね、あたしの名前は・・・エマって言うんだよ。

おねえちゃんの名前って何ていうの?」

「・・・エマ。」

「エマ!?あたしと一緒だね。

てゆうかさぁ・・・知らない大人の人が消えてから

お姉ちゃんがいきなりバタッって倒れてさ・・・それで此処に来たの。」

でも、此処の村、私が昔住んでたって言っても・・・

いくらじっくり見ても記憶の中にこの村は覚えていない。


それは私が死んだから・・・?

―――つづく―――