ルッキーパワーズ



by
砂功羅



1〜魔女〜
「私ね・・・魔女とか魔法とか信じる方じゃないの。

せっかく誘ってもらったけど、ごめん。」

私の名前は関田那乃(せきたなの)。

魔法とか、魔女とか、非科学的な事は、絶対に信じれない。

「えー、那乃は魔女が空飛ぶ所とか見たくない?」

この子は川口姫李(かわぐちひめり)。

非科学的な事でも、すぐに信じちゃう不思議な女の子。

「だってさぁ、今度の日曜日、駅の前を魔女が飛ぶって噂、聞いたでしょ?」

この子は瀬戸内沙紀(せとうちさき)。

凄いモテてるんだけど、本人は全く気づいてないらしい。

「聞いたけど、どうせタダの噂でしょ?行かないからね。」

―――駅に魔女が来る日―――

「わーっ、いよいよだね!」

姫李が叫んでる。那乃は引っ張られて駅までついていった。

「たしか、魔女が居れる時間は、1時間って行ってたよね。」

沙紀が目をうるうるにさしている。

でも、何故か那乃までドキドキしてきた。

「もーすぐ、魔女が来るっていう2時半になるんじゃない?」

皆、目を空の方に向けた。

「ルッキーパワーズ・ハルリーン!」

何処からか、へんな声がして来た。凄い可愛い声だし。

すると、向こうから魔女が飛んでくるのが見えた。

「あ、ありえない・・・魔女・・・」

那乃はその場で固まって、魔女が飛ぶのを目で追いかけていった。

「貴方?魔女を信じないって言う那乃って子。」

魔女が前に来た。那乃は何となくうなずいた。

「じゃぁ、後ろの姫李ちゃんって子と沙紀ちゃんって子、

あたしの杖に乗って?」

と、言う事で3人は魔女の杖に乗るハメに。

飛んでる途中で、那乃は魔女に静かな声で聞いた。

「あの・・・名前は何て言うんですか?」

「あ、あたし?えっとね、仁奈(にな)って言うの。」

「あー、私仁奈に会えて良かった。凄く嬉しいよー!!」

沙紀が感動している。

「あの、仁奈、私達を何処に連れてくの?」

「あたしの家に決まってるでしょ?今日から貴方達はお泊り」

「だって、仁奈が居れる時間は・・・1時間だけでしょぉ?」

仁奈はハーァとため息をついた。

「だから、その1時間を1年にするの!!このタイマーでねっ!!」

仁奈はポケットから得意げに見した。

たったの1時間を1年間にするのか・・・

魔女ってすごいなぁ。

那乃は、すっごい小さな声で、つぶやいた。

「私も、魔女になりたいな」

「えっ、そんなの全然簡単になれるけど?やってみる?」

「うん!」

3人は声を合わせた。凄くやる気満々で。

「じゃあね・・・この4人のメンバーの名前は、ルッキーパワーズね!!」

これから凄く楽しくなりそうな気がする・・・!

―――つづく―――
2〜訓練〜
「魔女がチームを作ると、必ず強くなって

人間界のテレビに出れちゃうっていう噂が昔からあるの。

あたしは、それを目指してたのっ!」

仁奈が言った。

ふぅん・・・チームねぇ。チームなら悪くないかも。

「でも、仁奈、非科学的な事を信じない那乃を信じさしたのが凄いよね。

だって、那乃って何言われても信じないし。」

「うん。あたしの力じゃそんなの楽勝。

那乃、もしかしたら魔女の才能とかあるんじゃないのっ?」

えっ、私が魔女の才能?あるワケないけど・・・

「だって私、見えてきちゃったんだん。

私はこの水晶で魔女と出会った人間の未来が見れるの。」

仁奈は、ポケットから小さい玉を出した。

と思ったら、その玉はどんどん大きくなって、水晶くらいの大きさに。

「うっ、うわぁ、それ凄い・・・」

沙紀が目を輝かせている。と同時に仁奈の家に到着。

「ボロっちくてごめんね・・・」

えっ、凄い綺麗じゃん。何処が汚いワケ?

「あっ、そっか。人間界での『綺麗』は魔界にとっての『汚い』なの。」

綺麗と汚いが逆なんだね・・・初めて知った。

「さっ、この中で魔法の特訓。まずは筋トレからね?」

えっ、何で筋トレ?

「呪文を唱えるときは、筋肉を使うのよ。

あたしも詳しくはしらないけど、さっさと筋トレしてしてぇ!」

まずは腕立てふせ。

那乃は運動神経バツグンなので、何もかも完璧にこなしてる。

それに対して、姫李と沙紀はふぅふぅ言ってる。

「もうっ、何で那乃はそんなに出来るのよっ!」

生まれつきだし、しょうがないよ。

「あのね・・・その3人、あたしさっき簡単になれるって言ったけど

筋トレとかをさっさとすれば1日でなれるって事。

だから、厳しくやんないと1ヶ月もかかるって事なのよ。」

厳しい訓練で1日で魔女に・・・

「それと、貴方達が1年たって人間界に戻るときは

魔女の記憶を全部消させてもらうからね。

もちろん、あたしの記憶も。」

そっか・・・でも、魔女になるため、頑張るぞっっ!

―――つづく―――