1月2日のあの場所で



by
砂功羅



自己紹介
渡辺ルナ ♀

魔女=那乃 ♀

内田レオ ♂

鈴木拓 ♂
T
「ルナ・・・いよいよ1月2日だね・・・」

「うん・・・」

ルナの心には緊張がはしる。

今日は1月2日。

毎年この日だけしか会えない人がいる。

名前は内田レオ。ルナの初恋の人だったが、北海道に引っ越した。

そんな事から5年。

2人は1月2日だけしか会えない。

まるで7月7日の織姫と彦星のように・・・


「でも那乃・・・那乃は見守り役なのよね?

那乃がヤバイって思うことを私がしたら、魔法をかけて。」

「うん。大丈夫。」

この子は魔女の那乃。

人間界で迷子になり、一切魔界に帰る気がしなくなった魔女。

「じゃあ、行ってくる。後から着いてきてね。」

那乃は空を飛べるし、ルナ以外の人間には姿が見えない。

そして、ルナは家を出た。その時・・・

「渡辺。」

ルナの事を渡辺って呼ぶのは鈴木拓・・・拓しかいない・・・

「拓・・・私用事があるから後に・・・」

「俺は渡辺のことが好き ただそれだけだからな」

拓はそれだけ言うと帰ってしまった。

拓が私の事?ありえない。今までさんざん私をいじめてきた拓が・・・

私の顔に牛乳かけたり、私のノートを捨てたりした拓が・・・

「ルナ?行かないの?」

「あ、那乃。今行くから。それじゃあ・・・」

ガチャン。

どうしよう・・・もうすぐでレオが来る。

ルナの心はもう緊張でいっぱい。言葉も出ない。

「よっ。」

ルナは顔を上げた。そこに立っていたのは・・・

「レオだ。ルナ、1年ぶりだな・・・」

「レオ・・・私、ちょっとレオに相談したい事があるんだけ・・・」

と言いかけたところで後ろから杖の音がした。

【ちょっとルナ、告られた事は行っちゃ駄目】

な、那乃・・・

「れ、レオ。今のは何でもないから。

それより、あの場所に行こうよ・・・あの場所に。」

「あぁ・・・」

2人の心はピンクにそまっていた。

―――つづく―――