魔法◆保育士



by
那奈



prologue
幼稚園生の皆さん・・・。

貴方の先生も魔女かもしれない・・・・・・・・


「貴方・・・魔女になってみない?」

  ――この一言かた始まった過酷な訓練・・・
 
 そして「保育士」という仕事


貴方の先生が魔女だったら・・・どうしますか?
one
「ウィーズ・ベリー・アンム!」

・・・・・・・・・・駄目だ

「ぜんっぜん果苗には魔力が無いのう・・・・・・」

「どうします?他に手は・・・」

このしわがれ声ばばあがメグロ(女)。

本当は29歳の独身なんだけど、ばばあに化けてる。

そしてこの敬語野ろうがヌウ(男)。

16歳のベテラン魔法使い。とてもそうには見えないけど・・・


「・・・・・・・・・・・・・・名前をつけるのはどうですか?」

「ほう・・・名前かい・・・」

  えっ・・・あたしの名前・・・変えられるのなんて・・・

「そ、そんなの嫌ですっ!だって・・・」

「魔界だけでの名前。で、ヌウ。何にするんだい?」


『アズキ』

アズキ・・・まあ、いいけど・・・

「で、その名前は人間界とは関係無いんですよね・・・・?」

「もちろん。お前は人間界では保育士だからな。」

良かった・・・。


「じゃあ、あたしもうそろそろ保育園に行く時間なので・・・」

「5時に魔界に来てくれよ?」

「はいっ」

―――人間界 木下保育園―――

「果苗先生!!おはようございまーす」

「おー、拓ちゃんww おはよっ!!」


改名・・・改名・・・改名・・・改名・・・

「・・・っえ先生!!」

「わっ、何!!!!!!???????」

「さっきっから『改名』ってつぶやいてるけど、改名って何?」

「や、何でも・・・ない」

本当にこれでいいのかなあ・・・・

―――つづく―――
two
−PM 5:00−

「で、話って・・・何ですか?ばば・・・じゃなくて、メグロ。」

「アンズのクラスに魔女が紛れ込んでるかもしれん。」

ええっ・・・

「明日、探してくるのじゃっ!」

「でも、どうやって・・・・・・」

メグロはポケットから香水の容器みたいなのを出した。

「これを教卓に置く。これを見た瞬間そっぽを向くのが魔女だ。」

「え、じゃあ、その子だけ幼稚園生じゃないって事・・・?」

「まあな。そういうことだ。高校生くらいだろうな。」

ショ、ショック・・・・・・・。


「わしはアンズを信じとる。その魔女と戦うんじゃ。」

メグロ・・・


「た、大変ですっっ!!!!」

ヌウっ!

「魔界に天使が来て迷子になったようですっ。すぐに天界へっ!」

「ヌウ、落ち着け。」

メグロは杖を取り出した。

「ヒルバン・ニッセーレ。」

ヒュルルルルルルルルルルルルルルルルル・・・・


「此処・・・何処?」

「メグロ、この子誰ですかっ!?」

「迷った天使だ。今、魔法で操っている。」

その子は果苗の顔を見た。じーっと見ている。

「あ・・・もしかして・・・果苗さん・・・・・・・・・?」

え、まさか、その声って・・・

まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「弘海さんっ・・・・・・」

「か・・・果苗さんってえ・・・ ま・・・ま・・・魔女っっっっ!?」

「弘海って誰じゃ?」

「おっ、同じ保育士なんですっ。あまり話さないんだけど・・・・・」

ま、まさか私・・・・弘海さんと・・・弘海さんと・・・・



戦う!?



―――つづく―――