愛ノ砂浜



by
那奈⌒☆ ゜



予告
・・・――「リクー!!!今日カラオケ行かない???」


「えー・・・?あー、誰がいんの?」

塩山リク。祖父が初代校長を務めた塩山高校に何とか合格。

この友達は宇治岡ラム。小学校のときからの友達。


「ちーちゃんと、川崎と、クラだよっ!」

「えー、川崎とクラってオトコじゃーん・・・」


「だってサ、リク、川崎のコト狙ってるんでしょ??だからなんだよっ!

クラはその話聞いててオレも行きたあいって・・・。」

川崎ハル。あまりモテない今時風ぶってるオトコ。


「あー、やっとついたあ!!!!」

「そーだねっ・・・・」


                 川崎・・・・・・・――

―――つづく―――
T
  川崎 あの時から変わらない貴方に

                いつもドッキドキだった・・・―――


「あーっ、楽しかったねーっ!」

5人でいる時間が終わった。

すると、川崎がいきなり喋りだした。

「なーっ、今から皆で砂浜行かね??? 夜って海綺麗だしー。」

「おーっ、賛成!!!で、ドコの???」

川崎とクラが話しているうちに、ラムが耳打ちしてきた。

「リク、川崎とくっつくチャンスだよっ?絶対逃さないでっ!」


   川崎と――? 私が川崎と――・・・

「あーもー、何ムリな事言ってんのー?」

リクは笑いでごまかした。

「おーい、早くしないと遅れるよ?」

ちーちゃんがリクとラムの手を引っ張った。


          このまま・・・このまま砂浜へ・・・・?


「ココだよ。海に月がうつって綺麗だろ???」

「おーっ、すげーなーっ!で、ココの砂浜何ていうの?」

クラが聞くと、川崎はしばらく沈黙した。


「・・・・・愛の砂浜・・・・・。」

「あ、あいーーーーーーーーーーー!?」

4人の声がハモった。

「で、で、どんな伝説があるワケっ????」


「ココで手を繋いで2人で海を見ると両想いになるっていうんだ・・・」

全員が沈黙した。


     ココで私が川崎と――・・・ 手を繋ぐの・・・・?

「ねーねーっ、リク、絶好のチャンスじゃん!」

「そーだよっ、リク。早く奪っちゃったら?川崎くんの手っ!」

ラムとちーちゃんが急かしてきた。


「む、ムリでしょー・・・。」

「何 弱音はいてんのー?ほらっ、転ぶフリしてさっ!」

ちーちゃんがリクの背中を思いっきり押した。

「わっ、わわっ・・・・!!!」


川崎が、リクの手を握った。

「大丈夫か・・・・?」

横を向くと・・・川崎まで海を見てる・・・!

ここでリクが海を見たら両想いになれる?伝説は本当・・・?


リクは決心して、海を見た。

「わあっ・・・・すっごい綺麗・・・・・」

リクと川崎の手は接着剤でつけたようにしっかり繋がれている。


そして2人は・・・海を見ている。


                        運命?偶然?


―――つづく―――
U
         伝説は・・・――


「おっはよーっ!!昨日は楽しかったね!!!!」

「あ・・・ウン・・・」

今日はやたらとラムが話しかけてくる。

昨日の事、気になってるのかな・・・・・・・。


――あれから川崎とリクは手を離した。

だけどあの貴重な時間・・・ほんのわずかな時間なのに、1日くらいに思えた。


もし、伝説を信じるならば    2人の間に「愛」が生まれる――


「あ、それとリク、今日の10分休みに屋上に行かないっ?」

「え・・・良いけど・・・」

屋上??屋上で何かがあるのかな・・・・・・・・・・・・・・


10分休みになった

「リクー、早く行こうよっ!!!」

ラムが屋上のドアを開けた。     その先には――


「川崎っ!!リク来たから、後は2人でごゆっくり!!!!」

「えっ、ラムっ、ちょっ、ちょっと・・・」

「リクっ・・・・!」


川崎はこっちをじっと見ていた。何が始まるの――?

「リク・・・コレ」

川崎はリクに箱を渡した。

「開けてみろよ」

リクは丁寧に貼ってあるセロハンテープをはがし、箱を開けた。


「手紙・・・・・・?」

そこには、グチャグチャになった手紙が出てきた。

そこには、こう書いてあった。

『リクへ

あの砂浜・・・綺麗だったなあ。

リクが転びそうになった時、オレが手繋いだの覚えてる?

あん時、何か感じた。何だか分かんないけど・・・

でもオレ、あん時の事一生忘れない気がするんだ・・・

また5人で行こう。    川崎』

リクが読み終わったら、川崎は居なかった。


この手紙・・・ 川崎は何を伝えたかったの?

感じたことって何?川崎は何を思って書いたんだろう?


               まさか―― 『恋』ってこと――?

―――つづく―――