夢箱


by
茉莉花(まりちゃん)



第一話 〜足りない〜

『夏に すずしい風 さわさわと・・・』  



「ああ、もうだめだぁ」

夏休みまっさかりのむし暑い部屋にいる飛花(ひか)はごみ箱にたった今書いていた書いた紙を丸めてほおりこんだ。しかしごみ箱の中身はすでに紙でいっぱいになっているので紙がはじきかえり、床に落ちた。

飛花はイライラしながらイスからおり、おちた紙をたたきつけるようにごみ箱に投げつけた。そしたら飛花の力が強すぎたのか、ごみ箱にあたり、ごみ箱が倒れ中のごみが全部でてきてしまった。
飛花のイライラは倍増し、ドスドスと散らばったゴミたちに歩み寄って拾い始めた。

「これじゃあ作文コンクール優勝どころか小説家になるのも駄目に決まってるよなぁ・・・」とつぶやきながらごみ箱にごみを戻していく。(そのごみはみんな紙くずだ)

飛花は将来、小説家になるという夢をもっていた。
小さいころ、絵本を読んでとても感動して幼いころから今までその夢をもちつづけてきた。その絵本を読んでから飛花はずっと自分で物語を書くのが趣味になっていた。

そして小学校6年生の今、飛花はまだ小説を書いている。
そう、散らばった紙くずというのは自分で書いた小説だ。
だけど飛花は自分の小説に何かを感じなかった。何か小説が気に入らなかった。
一度、書いた小説を友達に見せたことがある。そしたら大笑いされ、
「つまんなーい」などと言われ、かなり傷ついてしまった。だからそれ以来、人には見せないで自分でひそかに書くことに決めていた。
だけどその小説も何かもの足りない。なので飛花は書いて、すてての作業を何回も繰り返していた。

ごみ箱に紙が入っている理由はそれだった。
こんなに書いても自分の気に入るものがない。どうしてだろう。書き出しはいいのに。だけど後になってだんだんだんだん、いやになってくる。それがイライラして・・・
しかも外ではセミがやかましい。
いらいらして小説を書くのをやめた。

なんか外にいきたい気分だった。外では子供がきゃあきゃあ騒いでいる。




<作者からひとこと>         

>はい、終わりー ぇ
いや、はい、続きー
中途半端で終わっちゃったかな(汗)
テストあるから続きに時間かかりそう(ー∩ー;)ウーン